この作品における勇者とは
勇者と言うと魔王と戦い、世界を救うというのが一般的なイメージ。ですがこの世界における勇者はただの人間。魔王のただの人間。
それでも普通の人間と違うのは、薬の力で強化しているということ。この薬は副作用として攻撃衝動が強くなるもの。
つまり勇者と魔王の戦いとは、薬漬けの人間と薬漬けの人間の争い。碌でもない世界ですね。
あまりにも特殊すぎる世界観で、冒頭の説明では何を言っているのか正直わかりませんでした。見ていく中で世界観が分かってきて、世界観を活かした物語進行に面白いと感じました。
あらすじ
碌でもない世界ですが、なんと勇者にはアカデミーが存在。そんなアカデミーで落第寸前の3人が登場します。そのうちのひとりが囚われ、他の二人が助けに行こうとするというのが物語の始まり。
不幸なことに、猪突猛進な少女・城ヶ峰と出会ってしまった勇者のヤシロ。毎日の生活のために過ごしていたクズの勇者が、面倒事に巻き込まれていきます。
クズな勇者・ヤシロ
ヤシロはプロ勇者。しかも業界では有名人らしい。面倒な相手に追われていることも多く、住処を転々としています。それでもよりどこにしているのはとあるバー。金がなくても訪れ、賭けに負けてツケをためる日々。その姿はまさにクズ。しかもツケを返すために頑張るのではなく、できるだけ働きたくないという最低ぶり。
それでも実力は本物で、戦いとなると大活躍します。勇者をやっていながら、勇者という仕事には否定的。たまたま出会ったアカデミーの3人を勇者になることをやめるように言うほど。
クズという言葉に感じる深み
話が進めば進むほど、ヤシロがあえてクズとして振る舞っているように感じます。勇者としての闇を知っているからこそ、自分を保つためにそうしている。真っ当な生き方を捨てたからこそ、どう振る舞ったらいいのか分かって行動しているように感じます。
ツケばかりのクズという側面だけでなく、話が進むほどクズであることに意味や深みを感じられます。
アカデミー3人との出会い
落第寸前の3人は、ヤシロに教えを請おうとやってきます。真っ直ぐな城ヶ峰。物静かだけで一度信じたら真っ直ぐな雪音。見た目や言葉遣いは荒々しいも素直なセーラ。3人の呼び方が「師匠」「先生」「教官」と違って個性があるのがポイント高い。特別感があっていいですね。
そんな3人の申し出を断りつつも、突き放し切れないヤシロ。勇者という仕事が好意的でないからこそ、その世界から離れさせようとする優しさを感じます。
そして危険性を知っているからこそ、危ないことをしようとしたら助けてしまう。ヤシロの優しい人間性を感じます。
戦闘シーンが丁寧でいい
ヤシロの戦闘スタイルは、「よく見てよく考える」こと。その言葉通り、考えたことすべてが丁寧に描かれています。能力によるゴリ押しではなく、能力を活かして戦うので見どころ満載。相手からどう見ているのかも意識しているのが面白いです。
6話ではようやく3人に特訓する場面が。E3なしでも十分強いヤシロ。そしてすぐにそれぞれの弱点を見抜くのは流石すぎる。
まとめ
ツケばかりのクズ勇者ヤシロが、アカデミー落第寸前の3人と出会って面倒事に巻き込まれていく作品です。口の悪さと最後は助けてしまう優しさのギャップがとてもいいです。戦闘シーンはどう考え、どう動いたのかが丁寧に描かれているので見どころ満載です。話が進めば進むほど、クズという言葉にも深みが出てきます。




