作品の概要
作品の魅力
魔法少女という職業を題材に、ベンチャー企業や大手企業の違い、会社の考え方の違い、自分の考える自分と他人から見る自分など、社会におめる様々な側面が描かれています。
この作品における魔法少女とは
魔法少女と言うと、杖を持って変身し、非科学的な力で人々を救っていくことが一般的です。ですがこの作品における魔法少女とは、職業のひとつ。アニメの冒頭では、人気で高給取りと紹介もされています。魔法少女が変身するときに発生するバンクは、会社の技術者が作ったもの。その演出へのこだわりを強く感じます。
杖の存在
この作品における杖は、科学技術の結晶です。魔法自体がプログラミングになっていて、杖には魔法を発動するための様々なプログラムが組み込まれています。魔法少女はそのプログラムを使って超常現象を引き起こし、問題を解決していきます。
主人公の魅力
主人公のカナは就活生。ものすごい努力家であることに加え、読んだ内容を忘れない記憶力を持っています。これだけでもすごいことですが、かなの一番の能力は、その知識を生かせること。その場に合わせて必要な知識を組み合わせ、臨機応変に動くことができます。
ですがアニメ開始時に就活生だったかなはその最上を生かせず、面接は失敗続きで自己肯定感はダダ下がり。そんなとき、面接会場で怪異現象が発生します。その対応にあたったのがマジルミエのたったひとりの魔法少女。ひとりでは対応しきれない怪異現象に、魔法少女は助けを求めます。そこで手助けをしたのがカナ。魔法少女が苦戦する中、かなは過去に読んだ杖の使い方の本の内容を思い出して大活躍します。ところでこの怪異現象が起こった会社。金融会社らしいですが出てきた社員の対応は最悪。考えるのは自己保身ばかり。大手企業の悪い例として、分かりやすすぎる対応でした。面接の時点でも怪異にせいで部屋が寒すぎて、カナが「入社できても外と中の温度差で辞めそう」と言っていたのは印象的。面接前から会社のイメージはダダ下がりでした。
自己肯定感ダダ下がり状態で入社したカナ。ベンチャーと言う環境で、自分のやりたいやり方を尊重してもらいながら成功体験を積むことができ、成長していきます。自分で考え努力できるカナは、もしかしたら大手に入社していたら、自分の才能に気づくことなく暗い毎日を過ごしていたかもしれません。
リリーとの出会い
カナは成長のためと、社長が用意した他社との共同業務をします。その相手はミヤコ堂。そこで出会ったのは、カナにとっては初めてとなる他社の先輩社員。化粧品会社の広告塔を兼ねている彼女は優しいお姉さんタイプ。今までカナが関わってきた越谷とは真反対のタイプです。失敗しないように意気込んでいたカナですが、共同業務の内容に力が抜けることに。化粧品のことを知ってもらうためだとかいろいろとそれっぽい理由がでてきますが、なんと本音は先輩社員によるエンタメと。着せ替えして普通に楽しんでいたようです。そんな雰囲気も含めて素敵な会社だと感じました。
リリーとの共同業務の途中で、アスト社の魔法少女とも出会います。その中で、美学を巡って意見が対立。怪異を倒すのに自分は何もできなかった。自分はいらなかったとマイナス思考に陥るカナ。実際に避難誘導で大活躍をしましたが、自分のことには鈍感なカナは気が付きません。そんなカナに、リリーは自分はみんなのちょっとした背伸びを手助けしたいと思って魔法少女をやっていることを話します。そのエピソードですぐに気づきを得られるのがカナの強み。いろんな魔法少女がいていいと気が付きます。そして同時に、自分はひとりで美学を主張できないと弱さを受け入れ、美学を貫けるためにはどうしたらいいのかを考えます。
株式会社マジルミエ
株式会社マジルミエは、カナが入社したベンチャー企業。そこの社員は個性的なメンバーばかり。社長は魔法少女のコスプレを着ていて、もうひとりのエンジニアはコミュ障オタク。先輩魔法少女は、イケイケの脳筋タイプ。性格もばからばら個性的なメンバーですが、目的のための考え方は同じ。無茶を通すために必要な能力をそれぞれが兼ね備えています。
先輩魔法少女・越谷仁美
カナが現場で時間を共に過ごす相手で、姉御タイプ。言葉は荒っぽいですが、そのひとことひとことからは強い優しさを感じるほど。アニメを見ていても、いい先輩過ぎて思わず涙がでるほど。かなが何をしようとするときに止めることはせず、背中を押してくれます。一方で本当に違うと思ったときには、ヒントを与えながら考える時間をくれます。そのバランスが絶妙で、かなは自分で気づきながら確実に成長していきます。責任感も強く、たとえかなが失敗しても最後は助けてくれるという安心感もあります。
社長
マジルミエの社長は、もし本当に出会ったら絶対に関わりたくない魔法少女の格好をした男性。その服にもこだわり十分。社内では魔法少女の格好をしていますが、外ではスーツとしっかりと常識も持ち合わせています。
ベンチャー企業と大手企業
マジルミエは大手企業。その対比として登場するのがアスト。業最大手で、そのやり方は効率主義。結果が出ない魔法少女は平気で首にする冷遇っぷり。辞める前に社長が直々に対応してくれるのは、ある意味では優しいともいえるかもしれませんが・・・。
美学の違い
作品の中でたびたび出てくるのが美学と言う言葉。ベンチャーだからできること、大手だからできることが存在します。特にマジルミエの社長は、本来なら大手でも活躍できるだけの実力も人脈もあるのにあえてベンチャーをやっています。自分が貫きたいもののために努力する。それもひとつの素敵な選択肢だと感じました。
まとめ
株式会社マジルミエは、魔法少女という職業をテーマに社会における考えの違いを表現した作品です。マジルミエは、温かい社員が多いベンチャー企業。その言葉には思わずこんな会社でも働いてみたいと思うほど。一方で、対比として出てくる大手企業の主張も頷けることが多くあり、立場・理念の違いを考えさせてくれる作品です。
